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ベッドからはみ出しそうな長身と厚い胸板……
広い肩幅に筋肉質な腕……
あの時、私は
碧斗に『男』を感じずにはいられなかった。
そして、今、改めて碧斗を見つめると
すっかり『弟』の面影がなくなっていることを再認識させられる。
鼓動が早まる前に、
胸の奥が締め付けられる。
強く……
締め付けられる。
私はその痛みに思わず目を閉じていた。
「どうしたんだよ?」
碧斗の声に目を開ける。
「これ……すぐに酔っちゃいそう……」
誤魔化しのつもりだったが、本当にそうかもしれないとも思った。
「ばーか。飲みながら寝るなよ」
「寝てないよ」
言葉を交わして、二人同時にグラスを口に運んだ。
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