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彼は話題がひと段落したところで聞いてきた。
「あ、はい……。拝見させていただきました……」
「やめてほしいって言ったんだけど、結構アップのカットもあって、恥ずかしいよ」
おそらく、彼は
本当に聞きたい筋から少しそらしているのだろう。
彼も、私と同じように、本当はどんな風に切り出していいのかわからないのかもしれない。
「大丈夫でしたよ。いつも通り……素敵でしたよ」
私はどのように言おうか少し迷った。
以前までの私なら「素敵でしたよ」と息を弾ませて言っただろう。
けれど、今の私たちの間では、それがどんな風にとらえられるのか気に掛けなければならなかったからだ。
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