弱点

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永友碧斗(ながともあおと)は本社を名古屋市に置き、東海地方を中心にレストランを経営する「サムシングブルー」の社長だ。 親友の料理人が料理の修行を終えてフランスから帰国し、二人で始めたレストランが始まりだった。 彼の親友であり、料理人である小野田さんは料理の腕は確かだったが、店を経営する能力にはどうやら自信がなかったようだ。 彼は迷わず碧斗に相談を持ち掛けた。 当時、碧斗は製薬会社に勤めており、社内でも優秀な人材が集められたという海外事業本部に所属していた。 碧斗の仕事ぶりは社長直々に目を掛けられていたほどで、かなり腕の立つ営業マンだったという。 近い将来には史上最年少での海外事業部本部長のポストが約束されていたと噂される中、 彼は親友の小野田さんからの相談により、周りが引き止めるのも聞かずあっけなく会社を退職した。
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