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「別に」
ああ言えば、こう言う。
ホントに生意気なんだから!
私がいつものように彼を睨んでみても、案の定彼は涼しい顔を見せつける。
そして、スマホの液晶画面を消すと真っ暗になった室内をドアの方へ一人で向かおうとする。
「ちょっと待って! あ、待って下さい!」
私は碧斗の腕に触れるとその袖を軽くつまんだ。
今の状況は頭にきていても頼らざるを得ない。
実際、私は暗いところが苦手なのだ。
「おいて行かないで下さいよ」
「ビビってないんだろ?」
「ビビってるんじゃなくて、転んでケガでもするの、嫌なんです!」
「お前は暗くなくても転ぶだろ」
「転びませんよ」
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