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しかし翌朝、二人が窓から庭を除くと一頭の馬が食べられていました。オオカミに襲われたのです。
「なんで。塀を作ったのに……。」
ソラとカナエは慌てて外に出ると塀を点検しました。すぐにソラが声をあげました。
「あ、ここから入ったんだ。」
塀の上に足跡が残っていました。
どうやら塀の高さが足りず、オオカミが跳び乗ったようです。
「まったく、あんなに自信満々だったのに結局だめか。
俺が作り直すから姉ちゃんは家畜の世話でもしてな。」
「ちょっと待って。あんたも最初失敗してたじゃない。人のこと言えないでしょ。」
「俺は一番目にやったからね。失敗はあって当然だよ。
でも姉ちゃんは俺のやったことを見てたんだから。成功するのが当然でしょ。」
「あんたみたいによわっちい柵にしないようにした結果が今回の塀なの。
ちゃんと考えてやってるわよ。
まぁいいわ。そこまで言うならあんたが全部やってね。」
そう言ってカナエは怒って小屋に行きました。
ソラは塀を全部壊すと姉に引っこ抜かれた木をもってきて考えます。
どうすればオオカミの侵入を防げるかを。
(隙間があるとそこが弱くなって壊れてしまう。それに柵が一重だとどうしても強度が落ちちゃうなぁ。でもこれ以上材料持ってくると薪用の分がなくなっちゃうし。大量にあって柵を補強できるようなものないかな。)
ソラの頭にさっき壊した泥の塀が思い浮かびました。条件にはぴったりです。
(泥なら……いやいや、あれは姉ちゃんのだ。俺は俺のでやって見せる。)
ソラは立ち上がって気合を入れると新たな柵の制作にとりかかりました。
少し低くするかわりに強度を上げそして柵に跳び乗られないように柵の上をとげとげにしたのです。
果たしてうまくいくのでしょうか。
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