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いやいや、問題はそこじゃなくて
いきなり名前で呼ばれて、呼び捨てでいいとか どんだけフレンドリーなの?
純くんに似てるし栗原くんにしか、見た目は見えないから言われて嬉しい部分はあるけど、でも私は…
神埼陸斗としての貴方が苦手かも。
「あの名刺届けていただいて助かりました。これから仕事に戻らなきゃならないので、これで失礼します」
私は頭を下げて、お礼を言った後 立ち上がった。
「あ、もう1つ質問いい?」
そして立ち上がった瞬間、神埼くんが軽快に聞いてきた。
「あの、時間がないので手短になら…」
腕時計を見ると、とっくに10分は経過している
本当に早く戻らないとヤバイんだけど
「これだけ聞いたら帰るから。あのさ、この前の握手会の時に俺を栗原くんって間違えたろ?その栗原くん。って、知り合いの人?」
あ…この前の事……
知り合いとか神埼くんには、関係ないんだけどな…
まあ、早く帰ってほしいし
「知り合いだよ」
まあ、間違ってはないよね。
実際、知り合ったわけだし
「へぇ。ソイツと俺、そんなに似てる?間違えるくらいに」
意味深に口角を上げニヤリと笑みを見せる。
「そりゃあ…間違えたくらいだから。あの…もう本当に急いで戻らないといけないので!あの名刺ありがとうございました!では」
また、お辞儀をしてクルリと背中を向き戻ろうとした時だった
突然、神埼くんが私の腕を掴んで強引に引っ張る。
「ちょっと、何するの?」
神埼くんの方に向き返された私に右手を差し出す
「握手、まだだったでしょ?はい。今、してあげる」
はぁ?してあげる?
上から目線ですか
時間ないって言ってるのに!
そんな握手なんて
「もう、結構です!本当に時間がないので、これで失礼します!」
私はフンッと神埼くんに背を向けると早足で仕事に戻っていった。
神埼くんは、その後どうしたかは知らないけど、あんな上から目線、すごい腹立つんですけど!
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