苦し紛れのオープンサンド

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「あ、ずりぃ、中ちゃんだけ食べているっ」 「俺も、俺も食べたい!」 「味見しているだけでしょうがっ。谷さん、どうでしょうか?」  明里は谷の手にすくった物を乗せた。 「まだ、塩があった方が良いかもね」  谷はそれを口に運んで、そうコメントしてくれた。 「わかりました」  その言葉に頷いて、明里は塩を小さじ半分ぐらいの量を目分量で入れる。  そして、よく混ぜてもう一口味見をしようとしたが、 「ずるい、中ちゃんだけっっっ」 「俺も、俺もしたい。味見!」  低学年男子達四名に騒がれた。  明里はそれを横目に、 「麻衣さん、由紀さん、味見してくれる?」  と、最初に手伝ってくれた低学年女子達の手にスプーンですくったものを乗せた。
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