苦し紛れのオープンサンド

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 そのままにしておいたら、さらに搾取されるのは目に見えている。 「これをパンに塗るの?」  それをわかっている谷さんは、すぐに動いてくれる。 「はい、そうです」 「わかったわ」  谷さんはそう頷くと、スプーンが入った瓶を出して、そのまますぐにパンにそれを乗せてくれる。 「量はどれくらい?」 「全体に伸ばせるぐらいで」  明里の言葉に、谷さんは手際よく作業を進めてくれる。 「中ちゃん、まだ味見したい~~~」  だが、低学年男子達が騒ぎだして来る。  明里は、谷さんを見た。谷さんはその視線だけで、察してくれたのか、 「こっちはやっておくわ。麻衣ちゃん、由紀ちゃんも手伝ってくれる?」  と言って、低学年女子達に声をかけた。
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