苦し紛れのオープンサンド

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「うん、わかった。中ちゃん、卵全部剥いたよ」 「ありがとう。ほれ、あんた達もやるよ」  明里は低学年男子達に声をかけて、低学年女子が殻を剥いてくれたゆで卵を見せた。 「ええ、また作るの!?」 「追加で作るなら、また味見できるけど?」  不満そうな彼らにそう言うと、とたんに、態度が改まった。 「作る、作る!」 「今度はもっと食べさせて!」  ……概して、男という生き物は、単純である。  流しに一回置いた泡だて器をもう一度持って来て、深めの皿にゆで卵を一つずつ入れて、交代で潰させた。  そしてその作業をしている間に、冷蔵庫の上に置いたオーブントースターを持って来て、コンセントの近くの床の上に置く。
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