苦し紛れのオープンサンド

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 あまり床の上に食べ物を作る道具を置きたくはないのだが、贅沢も言っていられない。  そうして、中のトレイを出して、パンを置いた。  通常の食パンを二枚置けるから、四人分はできる。  本日の児童数は三十人。  八回焼けば全員分のは焼き上がる。  時間は二分。  必要な時間は、だいたい十五分。  ここまで来れば、時間との勝負である。  しかも、焦がすわけにはいかない。  そんなことを思いながら、トースターのタイマーを回す。  そして案の定、 「おやつまだー?」  と言いながら、おやつを求める子ども達が階段を上がって来た。  そして、そこにとどめを刺すのは、トースターから漂ってくる、パンの焼く匂いである。 「うわ、何、何、今何作っているの?」 「私早く食べたい!」  これらの暴走を抑えるのは、持って五分程度なのだ。  それを持たせるためには、 「卵潰した? だったらマヨネーズ混ぜるよ」
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