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「また卵!?」
悲鳴に近い声で、と言うか、悲鳴を高学年女子が放った。
その瞬間、明里(あかり)はげっとなる。
気持ちは、わかる。
痛いほどわかる。
何が悲しゅうて、最高級の卵から作られているとは言え、「おやつ」に茹で卵だけを食べないといけないのか。
昨年度までは、まだ少ないと言えど、おやつ用のお金が出ていた。
だが、四月に入ってから、おやつのお金が出なくなったのだ。
いくらもらえる金額が少ないとは言え、以前の方がまだ遥かにましだった。
現物支給とは聞こえは良いが、ようは老人ホームの施設であまった食材を、学童の方に回しているのだ。
けれど、わざわざ栄養士の女の子が学童までおやつを持ってきてくれたのに、その言いぐさはない。
明里が、キッと視線で発言した子を見たとたんに、その子は明里から視線を逸らす。
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