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「すいません、ありがとうございます」
明里は、栄養士の人にぺこりと頭を下げた。
まだ若い栄養士の人は、何というか、辛うじて笑顔を浮かべている。
「ええと、今日はマヨネーズもありますから。残ったら卵とマヨネーズは返してくださいね」
「ありがとうございます」
いつもは塩だけだからね、とは口に出して言わなかった。
容器を受け取り、ドアを閉める。
「ちょっと、望海(のぞみ)さん。あの言い草はないわよ!」
それから、さっき発言した高学年女子に声をかけた。
「何よ、本当のことじゃないっ!」
「だからと言って、せっかく学童(ここ)まで持って来てくれた人に言うべきことじゃあないわ」
「だって、もう卵ばっかりうんざりよ!」
明里の言葉に煽られたのだろう。
望海は、さらに声を上げた。
やれやれ、とその声を聞きながら明里は溜息を吐いた。
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