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「どうしたの? 中(なか)ちゃん」
ちょうどおやつの時刻になったので、外に子ども達と出ていた安部(あべ)さんが中に入って来ながら、明里に聞く。
「望海さんが、おやつを持って来てくれた栄養士さんに『またゆで卵?』って言ったんですよ」
「あら~~~」
明里の言葉に、この学童の責任者である安部さんは困ったような顔をした。 明里だけじゃなく安部さんにまで咎められたのが面白くなかったのか、望海はぷいっと、部屋の奥に行ってしまった。
「まあ、気持ちはわかるんですけど」
ただ、本当にその気持ちは明里にもわかるのだ。
こうも毎回毎回ゆで卵を出されていては、切れ気味にもなる。
別に、望海一人だけの意見ではない。
それは、子ども達全員の思いでもある。
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