6人が本棚に入れています
本棚に追加
谷さんもそのことをわかっているから、咎める言葉はそれぐらいだ。
明里は遊んでいる子達に机から移動してもらうと、アルコールを机に吹きかけ、ゆで卵を置いた。
そして、二階にあるトイレ近くの手洗い場に行って、手を洗う。
そのまま、通路の間に置いてある冷蔵庫から昨日のおやつだったパンを出す。 枚数は、十七枚。
「よし、足りるな」
明里はそう呟くと、今度はそれを机の上に置く。
そうして、次に子ども達が遊んでいた広告用紙を一枚もらうと、卵の殻を剥き出した。
「卵の殻を剥くの?」
谷さんがそう尋ねて来たので、
「そうです。十個ぐらいで足りるかな?」
明里はそう答えた。
「んじゃ、子ども達にやらせればいいじゃない。由紀(ゆき)ちゃん、麻衣(まい)ちゃん、手伝ってくれる?」
最初のコメントを投稿しよう!