番外編1 名探偵もふおの謎解き譚

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それからも俺は並べられた料理を次々に胃袋へ入れた。 肉、魚、スイーツ……れもものすごく美味しかった。 本来、和食を作るはずの美麗さんが作ったものだが、味には深みがあって本格的フレンチの味がした。 しかし、メインである肉や魚よりも俺は「じゃがいものスープ」が一番美味しいと思えた。 「美麗さん、すごく美味しかったです!ご馳走様でした」 最後の一口を胃袋に収め、俺は手を合わせてご馳走様。 こんな美味しい料理が賄いで食べられるなんて本当に有難い。  「で。さっきから“美味しい”しか言ってないんだけど? タダメシ食べさせるために出したんじゃなくって、感想が聞きたくて出したのよ。 あんたのボキャブラリーの少なさにびっくりだわ」 はぁ、っとため息をついて美麗さんはメニューを書く黒板へ向かった。 「まぁ、美味しいってんならいいわ」 なんだかんだ言って、まんざらでもなさそうな顔をしているじゃないか。 そんなことを考えながら、チョークを走らせる美麗さんをぼんやり眺めていた。
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