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“本日の特別メニュー 限定5食のフレンチコース”
なるほど今俺が食べたコレは限定メニューなのかと、黒板に書き出される文字を眺めながら食後の余韻にひたる。
「何々?
“ベビーリーフとラディッシュのサラダ”
“フランソワーズ”
“真鯛のヴァルプール クリームソース”
“ローストビーフの香草仕上げ”
“5種チーズセット”
“デザート3種盛り”
……ん?」
ここまで書き出されたメニューを読み上げて、1つの違和感に気がつく。
”俺、フランソワーズなんてもの食べたっけ?”
「美麗さん。あの、フランソワーズって何ですか?」
「食べたじゃないの。ジャガイモのスープ」
「あぁ。あのスープのことですか」
なるほど、あのスープってフランソワーズっていうのか。
フランソワーズ。
フランソワーズ。
フランソワー……ズ?
あれ?変じゃないか?
……もしかして。
「あの。言いにくいんですけど、そのフランソワーズって……」
「何よ?」
「もしかして……“ヴィシソワーズ”……じゃないですか?」
「!!!」
その後、いつのまにかメニューから“フランソワーズ”は消え、“じゃがいもの冷製スープ”が上書きされていた。
<<番外編1 名探偵もふおの謎解き譚 完>>
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