悲鳴

3/3
前へ
/3ページ
次へ
 私は愛情を受けたことがない。幼い頃は母親の暴力を愛情だと勘違いをしていたが、今では、あれはただの鬱憤晴らしだったことに気付いた。  母親のように間違った育て方をしない……。そう、決めたのに……。  頭の中の悲鳴が大きくなる――。幼い頃の私の悲鳴。  そうだ。あれは娘から見えた私の顔じゃなくて、私の母親の顔だったんだ……。  どうして気付かなかったんだろう。母親と同じことを繰り返している。私の今の顔は、あの頃見た母親と同じ表情をしているの?  娘を強く抱き締めた――。  愛情ってなんだろう。  私は――  ――心の中で悲鳴をあげた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加