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「危ない!」
ふとそんな時、漢の声が聞こえたかと思うとおいどんの体は何者かに強い力でしがみつかれ、そのまま左にダイブし、地面に倒れ込んだ。
衝撃は強かったが幸い怪我は無いようだった。
「怪我は無いですか?」
上を見上げると精悍だが、どこか優しそうな壮年の漢がおいどんに優しい声で語りかけた。
住職の服を羽織り、ブラウンの髪、端正な顔立ちである程度の歳は重ねていても色気は失われていない。
それどころか壮年としての威厳と色気に益々磨きがかかっているような感じだ。
何もかもおいどんと違う。
「は…はい」
おいどんはそう、まるで初恋の女性の前にいるようにその漢に心を奪われていた。
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