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卵形
手中にある卵形に触れながら
この卵が孵る瞬間を待ってる
腐った卵が殻の中の雛も殺し
本能も消えた感覚が囀ずると
やっと傷んだ卵が孵るだろう
日常をひっくり返し収束する
そんな矛盾を含む臭気を撒き
己の知識と反対の孵化の時が
呼吸せぬ雛を孕んだ卵と共に
届かない伝言を纏って訪れる
混乱と混沌にまみれた空間で
腐った卵の殻にヒビが入った
手中に感じる卵形が
弓形に変わったのを
突然、本当に突然認識した
だから思わず声が出る
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