未成年NG

15/23
前へ
/23ページ
次へ
打ち合わせ、か。 しかも一人で。 あ、着いた。 タクシーを降りてぐるっと見渡す。 ここでかよ。 またこっそりため息。 吹き抜けの明るい、明る過ぎるくらいのコーヒーハウス。 綺麗な大理石のテーブルに乗るボーンチャイナのティーセット。 琥珀色のダージリン。 ここって、都内でもイチニを争う老舗のホテルだよねえ。 ここのデザートバイキングなんか、しょっちゅうテレビでやってるもんね。 商用でも結構使われるんだな、ここ。 あちこちのテーブルで打ち合わせしてる。 ぼっちの俺、居心地悪い。 もう待ち合わせの時間から30分以上経ってる。 社長ってみんなこんなんかな。 忙しいのか、時間にルーズなのか。 それにしても上品な客ばっかりだ。 派手では無いけど結構高いブランドの服来てたり、物腰が優雅だったり。 何か庶民の俺とはカクの違いを感じる。 ほら、あそこで商談してるビジネスマンも。 ピンと伸びた姿勢にパリッとした白いシャツが、ちょっとくたっととしてきた濃紺のスーツを、かえってしなやかでこなれた生地に見せかけてる。中々、上級者の着こなし、って、あれ? タモツ、だ。 何? 俺の視線の気づいたの? 目。目あっちゃった。 あ、どうしよう。うろたえ 「お待たせ、遅くなって御免ねえ!」 おばさん!この場にそぐわない黄色い声止めて。 しょうがない。 「お待ちしてました。いつもお世話になっております、水野社長」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加