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あ、カレー来た。
いい臭い。えっと、スプーンを、こう、こう。
「何やってんだ?」
眼鏡の奥の目が丸くなってる。
「タモツの真似」
こう、上にきゅっと。
「ぷ。くくく」
笑うこたないじゃん。
「ガキがなおさらガキに見える。やめときな」
ひでえ。
………おとなしく食おう。
「お前読者モデルからの転向だっけか?」
よく覚えてるね、最初一回自己紹介した時に言ったっけ。
ハグハグ。
こっくん。ついでに首もこっくん。
「あいつ、手に持ってたの、何だったか分かってるか?」
「右手に何か黒いベルトグルグル巻いた見たいなの持ってた。後、ダウンのポケットから手錠半分こぼれてた」
街灯でキラッと光ったのが目に焼き付いてる。
「けっこーしっかり見てたな」
何その、コバカにしたような感じ。
この人、感情は顔に出ないけど、オーラが語るんだよな。
あ、多分それ違うな。口調。そう口調がね。
「捕まってたら手錠で拘束されて、まっぱに剥かれてむち打ちだったな」
ぶふっ!
水、吹いた。
おしぼり、おしぼり。
「きったね。ほら」
タモツのおしぼりも貰う。
自然にさらーっと流してるけど。
今までそーんなに絡み無かったよな、俺とこの人。
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