第一章 失踪事件

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「非番までキャリアの相手とは……おつかれさまです」 「あの若殿、チャンスに弱いなー。いずれ地方回りだぞ、あれ」  ははは、と笑う制服警察官たち。 「で、何? 手入れでもあるの?」 「通報がありまして。茶髪の二人組が女性に絡んでいるとか」 「それなら解決したよ。なんかモメてたから声かけちゃった。逃げたのあっち。金髪と茶髪、二人とも細身でジャケット。一人は白ズボンで、もう一人は革の黒ズボン。金髪の方はウィッグだから、もう黒髪になってるかもね」  顎を振って、逃げた方向を伝える。 「けが人なし。危ないから早く帰るよう言っといたよ」
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