拷問トーナメント② 悪夢のルーレット拷問編

第一章 失踪事件

「あのー、彼女も嫌がってますし、やめてはどうですか？」

　気づいたときにはそう口にしていた。

「君、兄貴じゃないんでしょ？　他人でしょ？」

「ええ、まあ……」

　認めるしかない。いくらなんでも、兄妹設定は無理がある。

　改めて茶髪二人を見返す。足下から頭のてっぺんまで、見る。戦闘能力を測るのももちろんだが、人間性のすべてを観察する。あのおぞましい拷問トーナメントで鍛えられた能力――人間の本質を見抜く。

　二人とも背は高い。細身だが、引き締まっている。女をひっかけるためだろうが、かなり鍛えていそうだ。

　ヘアのセットにはかなり時間をかけている。ストで大事なのは顔じゃない。髪型だ。人の印象は髪型で七割が決まる。逆に言えば、こいつら、顔（メン）は大して良くない。