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* 残像
「さ、さ、さ、さゆにゃーん!」
ライブハウスに野太い男の声が唱和する。
天井から落ちるライトがステージ上で踊る少女を照らしていた。フリルのついたミニスカート、白いニーソックスに包まれた細い足、光に反射してキラキラ光るラメ入り衣装、頭にのせた大きな白いリボンがダンスに合わせて揺れる。
「世界でいちばんアイシテル! さゆにゃーん」
曲の合間に入ってくるファンの声(ほとんど男)。腹の底にズシンズシンと響くリズム、踊りの振りとシンクロして波打つ七色のペンライト、ライブハウス内をカラフルに染める照明。
太田俊輔は、初めて見る地下アイドルのライブに圧倒されていた。
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