第一章 失踪事件

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 二十代  金髪  高身長  に見えるけれど、実際は、  三十代(炭酸パックで肌のたるみを隠してる)  黒髪(ウィッグで変えている)  背は自分と同じくらい(厚底靴で誤魔化している)  嘘。嘘だらけだ、こいつら。  問題はなぜ嘘をつく必要があるのか、だ。嘘の先を見ろ。どう見ても誠実系ナンパじゃない。チャラ男路線。女をひっかけるためなら金髪にした方がいい。なのに、なんでウィッグなんてつける必要があるのか?  普段は黒髪でいる必要がある?  見えてきた。ようは、いいおっさん(会社員)が十代の少女をひっかけようとしてチャラ男を気取っている?  俊輔はウィッグの金髪の方に目を向けた。崩すならこいつだ。 「このコ、十八歳以下ですよ。まずいんじゃないですか。会社にバレたら」  金髪の顔がぎくっと強張る。
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