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それから俊輔たちに向き直った。
「怪我ない?」
「あ、僕は大丈夫です」
背中のメイド娘に振り返る。おびえているが、怪我はなさそうだ。
「ほんと、ああいう輩(やから)が増えたよねえー、池袋も」
男があきれたようにつぶやく。
「自警団の方なんですか?」
「僕? あー、違う違う。普通の一般人。ただの通りすがりのリーマン。ほんとは素通りしようかと思ったんだけど、君が勇気あるからさー。つい馴れないことしちゃった」
俊輔は意外そうな顔をする。あの警笛と腕の腕章は何なのだ?
はは、と笑って、自称リーマンが首にかけた笛を指でつまむ。
「これはフットサルの審判用。フットサル帰りなんだよ。あっちのビルの上にコートがあってさ」
遠くのビルの屋上を指さす。
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