第一章 失踪事件

26/63
前へ
/419ページ
次へ
 では、腕章は? 「で、これはキャプテンマークね、ははは」  腕の腕章をずらす。脇に隠れて見えなかったが「C」の文字が入っている。 「ね、キャプテンのC。君たちがモメてるのを見てね。女の子を守るなんてすごいなーって思ってたんだけど、ほら、僕ってリーマンでしょ。モメごとに巻き込まれるのは嫌だったんだよね。でも、とっさに思いついてさ」  もっと早く助けてくれればいいのに、と思わないでもなかったが、警察でも自警団でもないのに救ってもらったのだから、ここは感謝すべきなんだろう。 「でも、君、勇気あるなー、見ず知らずの女の子を、二人組の男から助けるなんて。あいつらは野良スト師だよ」 「野良?」
/419ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1383人が本棚に入れています
本棚に追加