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次に伊藤は若い警官の方に顔を向けた。
「君は……たしか足達くん。刑事志望だったよね」
「はい、そうですっ」
まじめで実直そうな警官が直立不動で答える。
「何でも相談にのるよ。気軽に声かけてね」
あの、と若い警官が遠慮がちに訊いてくる。
「例の女子高生がらみの件、事件性はありそうですか?」
ここ一年ほど、池袋を中心に、沿線に住む女子高生が失踪していた。家庭に問題がある少女も多く、家出だと思われていた。家族から失踪届が出ている例もあるが、警察も本腰を入れていない。
「うーん、難しいかな。なんせ何も出てないからねえ。いなくなってるのも、家庭にに事情があるコばかりだしねえ。どうかしたの?」
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