第一章 失踪事件

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 フェラで顔を歪める女を見るのが彼は好きだった。どんな美人でも、男の肉茎を咥えると顔は醜く歪む。男の一方的な性欲に奉仕させられる牝の姿は美しい。 「出すぞ。飲め」  どくんどくん、と白いつぶてを喉の奥に放つ。  最後の一滴まで絞り出すと、突き放すように女の身体を剥がす。性欲を解消したとたんに、女という存在がわずらわしくて仕方なくなる。  メガネを外し、フレームから小さな記録メディアを取り出す。個室ブースにあったパソコンにアダプタを取り付け、データを読み込ませる。もともと度の入っていない盗撮用のメガネだった。  ポケットから黒いスマホを取り出す。光沢のあるボディの背面には、シルバーで車裂きの拷問を受ける男の絵が描かれていた。
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