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作り話、か。男性の死体というのが気になる。
この話が伝達されていくにつれて変化していったか。
人から伝達されていった話というものは最終的には全く違った内容になることもある。
人の記憶とは曖昧なもので、それに自分の見解が入るため、噂話ほど信用できないものはない。
しかし、今回女性の悲鳴を板東は聞いたし、あの青年も聞いていた。さらに、警察に通報した人もいる。少なくともあの日何かが起きたはずだった。
女性社員の誰かが言っていたように、女性は車に連れ込まれ、拉致されたのかもしれない。それなら辺りを探しても見つかるはずはない。
いろいろと考えて所で確かめるすべはない。
板東は思考を中断して、冷めきった味噌汁を飲み干した。
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