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その日の仕事を終え帰ろうとしたとき、同僚の本田に呼び止められた。
「俺も今帰る所なんだが、飯でも食いにいかないか」
どうせ家に帰ってもレトルトの商品を暖めて食べるだけだ。断る理由はない。
二人は会社の近くの居酒屋に入った。午後7時過ぎだったので客でいっぱいだった。奥のカウンター席が空いているのを見つけ、二人はそこに座った。
「生ビール二つ。あと枝豆と山芋鉄板」
話題は自然と仕事の話になった。地方に転勤となった同僚の話から始まったが、途中から上司の愚痴になっていた。
だいぶ酒を飲んだため、板東は頭がくらくらしてきた。本田も顔が赤くなっていた。
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