叫び声に誘われて

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板東は気になって周辺を探すことにした。 吸っていた煙草を吸い殻いれに捨て、目の前の道路まで歩いた。 コンビニの左隣には運送会社の建物がある。今は電灯はついておらず真っ暗だった。 「こっちの方から聞こえた気がするんだけどな…」 板東は運送会社を通り過ぎ、少し先の交差点を左に曲がった。丁度その方向から曲がってきた青年とぶつかりそうになった。 「おっと、すんません」 板東は体をのけぞった。 「いえ、こちらこそ、ごめんなさい」 目の前の青年は頭を下げた。 年齢は20歳かそこらだろう。上下共黒色のジャージで帽子を被り、マスクを着けていた。 この辺に住んでいる学生が小腹が空いたからコンビニで何か買おう、とでも思ったのか。板東は勝手にそんなことを想像した。
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