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青年がコンビニの裏の方で聞こえた、と言ったので二人はその方向に向かうことにした。
「この道が怪しいと思うんですけど」
隣にいた青年が足を止めて、左の道を指差した。
そこは住宅の間の細い道だったが、街灯がないせいで真っ暗だった。かろうじて数メートル先まで道が続いていることが分かる。
この道に一度足を踏み入れたら二度と戻ることは出来ないのではないか。板東は寒気を感じて身震いした。
「ここ行ってみましょう」
青年は何も気にしていないのか、平然とその道に進んだ。
仕方なく板東は青年の後に続いた。
左右には住宅が建ち並んでいる。これだけ住宅があれば、誰か起きていてもよさそうだが、どの家も電気はついていない。
家の前を人が通ったらセンサーが作動して明かりがつく、というような住宅も今のところなかった。まるでこの辺りの明かりだけ吸いとられたみたいだ。
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