遠距離(仮)の日々4

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 そんなふうに臆病になっていた祐樹を変えたのが、孝弘だった。  祐樹が逃げようと尻込みしようと突き放そうとぐいぐい追ってきて、その手を掴んで離さずに、とうとう祐樹を捕まえてしまった。  本気になるまいと目をそらす祐樹に、真正面からひたむきに好きだと告げて、その心を動かした。一生を誓おうと思えるまでに。 「どんな人?」 「とてもしっかりしてて、自立した人です。仕事ができて心が広くて料理上手です」  そういえば香港でエリック相手にも孝弘を自慢したな。孝弘はどうも、こういう運命になっているんだろうか。 「いいね、年上?」 「…いえ、4歳下です」 「年下? へえ、意外だな。そうかあ…」  東雲は楽しげにビールを飲み、ふたりの経緯を聞きたがった。  祐樹はゆったりとした気持ちで料理をつまみながら、訊かれるままに孝弘の話をした。東雲とこんな話ができる日が来るなんて、想像したこともなかった。  そもそも2日前に電話をもらうまで、もう一度会えると思ったことすらなかったのだ。  こんなことが起こるなんて、人生ってわからない。
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