叫び

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 ここは戦場。乾いた空気が頬を撫で、俺は仲間と共に歩みを進めている。煙の立ち込める市街地には、俺たちと同じく銃を持った敵が潜んでいる。辺りを最大限に警戒しながら物陰を伝いつつ索敵をしていると、近くで銃声。  ――――別行動をしていた味方がやられた。これで残るは俺とその仲間、二人だけになってしまった。  俺たちは急いで踵を返し、銃声の聞こえた方向へ。家主のいない民家の塀に肩を当てながら歩を進めた。  ここで負けるわけにはいかない。今この瞬間、この戦いにはとても大事なものがかかっている。負けるわけには、断じていかないのだ。  仲間へ合図をし、俺は塀の曲がり角から顔を出した。  そこには、敵――――。  火薬が破裂する音と共に弾丸が打ち出され、俺の耳をかすめた。そして俺の放った弾丸は、見事に武装した敵の頭を撃ち抜いていた。  (よしっ!!)  これで敵は残り一人だ。急いで身を塀の陰へ戻すと、仲間へ敵を仕留めたことをアピールした。  その瞬間であった。破裂音が響き渡り。  ――――ッ、と。独特の音をたてて仲間は倒れた。吹き出た血は頭から。  (狙撃!?)  遠くから聞こえた銃声から俺はすぐにスナイパーの存在を確信し、破裂音のした方向へと視線を向けた。残りは俺一人という緊張感が心臓を握りしめ、そして民家のベランダに仲間を撃ち抜いた敵スナイパーを発見した。  急いで銃を構える。俺の銃はサブマシンガン、この距離で敵を仕留めるのは簡単ではない。が、しかし正確に弾を撃ち込むことができれば、とどめを刺すことは十分できる。  ライフルの銃口が俺の頭へ狙いを定めたのが分かった。しかし俺の方が速い。あとは引き金を引くだけ。  俺の銃は火を吹――――――  「~~~~~~~~~~~~~!!!!!」  ――――――いたその瞬間、くぐもった叫び声が俺の神経をピンッと弾いた。ビクッと震えてしまった俺の照準は大幅に狂い、同時に鋭い銃声。  「あっ……」  "俺"は死んでいた。  ………………。  PCの画面には『Lose』の青い文字が表示されている。  イヤホンを取ると、俺はゲームの画面から部屋の壁へと視線を移した。謎の叫び声は隣の部屋に住む方のもののようだ。
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