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―――― Higuma831『お前は俺とは真反対なんだろうな』
なかなか帰ってこない返事を待ちつつ、俺はすこし僻んだような一文をあゆむに送った。すると、すぐに返信。
―――― ayumu00『え、そんなことねえよ。俺友達ほとんどいねえし。お前と似たようなもんだって』
そして続けざまに。
―――― ayumu00『要するに隣がうるせえってんだろ?がつんと言ってやれば解決じゃねえか』
なんて、あゆむは簡単に言うが。
「……いやだからそれが怖くてできないんだって」
俺は否定を口にしながらキーボードを鳴らす。しかしそれを打ち終えて送信する前に、あゆむからさらに着信。
―――― ayumu00『こええとか言うんじゃねえぞ。勇気出せ勇気』
あゆむは超能力者か何かなのか。先手を打たれてしまった俺は、既に作った文章にバックスペースを連打して、新しく三文字だけ打ち込んだ。
―――― Higuma831『まじか』
その三文字にできるだけの意味を詰め込んだつもりだったが、あゆむはそれを読み取ることなく。
―――― ayumu00『明日までの宿題な。よし、次の試合やんぞ』
無理やりに俺の悩みは解決されたことになってしまった。いや、宿題だから保留か。どっちでもいい。
この日の試合はあまりいい動きができなかった。
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