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§ 酒宴
座敷に集まった男達は空腹も手伝ってか、早速その膳に手を付けた。
源作も末席に座り箸をつけたが、その料理の美味さに思わず感嘆の声をあげて夢中でかき込んだ。
酒が廻りはじめ、誰ともなく饒舌になり、がやがやと談笑しあう男達。この頃には皆、主人不在の館に無断で侵入しているという意識はすっかり薄れ、誰が出てこようと適当に説明をつけておけばよい、くらいにしか思っていなかった。
そこで早良万太郎が立ち上がった。厠へ参る、と言い残して部屋を後にし、暗い廊下を進んで裏手に回る。厠の位置など元より知りはしないが、大体の当たりを付けてふらふらと移動した。
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