マヨヒガ

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§ 少女   赤い振袖の少女は屋敷の庭に佇み、空を見上げていた。その周りを蝶がひらひらと舞っている。   「そうか・・・お主らは・・・もうよいのか? さすれば儚き夢の間に戻るが良い」   少女の言葉を理解したのか、何頭かの蝶が少女の掌で二、三度羽ばたき、虚空へ舞い上がって山に消えていった。その様子を見守っていた少女は、何かに気が付いたように別の方角に視線を向けた。  
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