3人が本棚に入れています
本棚に追加
「まさか、娘自宅に帰したんじゃねーよな?」
「別件で、火盗の牢に入って貰ってます。本人はそれで満足のようですから。」
さらりと恐ろしい話をする。
速見栄、自身番に自主した娘をさっさと火盗に引渡した!!
「じゃやっぱり、あの娘…利用された訳じゃなかったんだな?」
謎の会話が進んでいる。
「吉田屋は、奉公人に暇を出したようですよ…。」
京伝は他人事のよう、
呟く
「暇を出した?入れ替えただけの話でしょう?」
速見の言い方は、容赦無い
「吉田屋と、相手の目的は別なんだと思よ。同じだったら、なんにも苦労はしねーよ!」
京伝に、永楽堂はそう言って
「人の邪魔をする気は無いんだが、ゆっくりしているともう一人が野放しなんでね。」
襖の向で聞き耳を立てて居る男女に伝えた。
心中の邪魔をしたのでは無いと…
京伝の興味は其処に無い
「心中なんて美しい話じゃねーよ!!」
永楽堂こと、栄助の呟きだった。
この男には珍しい、凶悪さを隠さない事に興味を持っていた。
最初のコメントを投稿しよう!