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「まさか、娘自宅に帰したんじゃねーよな?」 「別件で、火盗の牢に入って貰ってます。本人はそれで満足のようですから。」 さらりと恐ろしい話をする。 速見栄、自身番に自主した娘をさっさと火盗に引渡した!! 「じゃやっぱり、あの娘…利用された訳じゃなかったんだな?」 謎の会話が進んでいる。 「吉田屋は、奉公人に暇を出したようですよ…。」 京伝は他人事のよう、 呟く 「暇を出した?入れ替えただけの話でしょう?」 速見の言い方は、容赦無い 「吉田屋と、相手の目的は別なんだと思よ。同じだったら、なんにも苦労はしねーよ!」 京伝に、永楽堂はそう言って 「人の邪魔をする気は無いんだが、ゆっくりしているともう一人が野放しなんでね。」 襖の向で聞き耳を立てて居る男女に伝えた。 心中の邪魔をしたのでは無いと… 京伝の興味は其処に無い 「心中なんて美しい話じゃねーよ!!」 永楽堂こと、栄助の呟きだった。 この男には珍しい、凶悪さを隠さない事に興味を持っていた。
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