永楽堂の栄助

化け物退治

栄助の様子がおかしい

どちらかと聞かれると、大小二人のどっちも、同じ栄助なんで、

都合上、知り合いが呼ぶ時は永楽堂と、栄助にわけている。

｢源心さんが杉田先生の所に呼ばれたって聞いて、なんか栄助の様子がおかしいのよ。｣

源心、薮でもれっきとした医者のつもり。

痛み止めや、切り傷にはけっこうな名医、しかしとんと自信と意気地がない。血なんかみたら、…である。

｢なんだか、すごく心配になって来て…。｣

町医者の杉田玄白、この時医者としてある事に携わっていた。

｢お紅が心配したって仕方ないでしょう？栄助が松ちゃん拝み倒して、奥方について行ってもらった方が安全策だわよ。｣

松ちゃんは、佐野屋で吉と水茶屋に出すお菓子を勉強中、すべて事情を話した佐野屋と永楽堂が企てた事だった。

｢源心先生の見慣れている患者って？いったい何だろう？｣

人間の患者より、源心先生がよく往診するのは…動物の方

富裕層のペットが先生の収入源

ただし買えなくなったペットを押し付けられる事もよくある御話で…加納屋の今のペットも、源心の処に投げ込まれた！瀕死の猫だった。