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「その理ってさ、変えられないのかな?」
紅霞がふと問う。
「は?何を言っているんだ。始めからそうあったものを変えられるわけがないだろう」
「本当にそう?」
紅霞の言葉に珠紀はしばし考えこむようにしてから言った。
「そんなこと、考えたこともなかった。だが、そうだな。確かに、変えられないとは限らないよな」
「人間の世界の輪廻も、あやしのものの世界の生のあり方も、どこか不完全なように思うんだ。不自然にさえ思える。俺がずっと理解できずに悩んでいたのは、そういうことだったんだ」
紅霞は、目の前が拓ける思いがした。
「珠紀、俺、華ノ国に渡るよ」
紅霞がそう言って華ノ国に思いをはせるように宙を見据えると、珠紀はそれに答えて言った。
「お前がそう決めたならいいんじゃないか。俺もついていく。サポートは任せろ」
「ああ、ありがとう」
こうして紅霞は新たな旅立ちを迎えることとなった。
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