第1章
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「メガネをかけないと、こんなにはっきり見えるのになぁ」 ボソッと呟いて、ため息をつく。 再びキャンバスに向かうためにメガネをかけた。 その瞬間、夢のような水彩画の世界が現実の顔になる。 「メガネかけないと見えないし。いや、描きたい世界は見えるけれど、現実が見えないんだよな。上手くいかないもんだな」 小さく首を振って、絵筆を手にする。
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