第1章

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ーー入学式ーー 辺りを見回すと屈強な人から私くらいの華奢な子まで様々な人がいる。 余裕があるのか積極的に話しかけてる子もいるが、わたしはどちらかというと寡黙なタイプなのでとてもじゃないが真似できない。 と緊張をほぐしていると若い女性が壇上へ近づいてくる。 「皆様初めまして、ノエル・ヴェティーユと申します。今日からこの校舎で教鞭をーー」 まずは職員紹介からのようだ。彼女はここダムロス国の建国に携わったヴェティーユ一族の末裔だ。 そしてそれを補佐するのがダグウェルというおじいさんなのだが中々愛嬌がある。そして残り11人、計13人が紹介された。 一通り構内などの説明を終えると、次はダグウェルが壇上に立つ。 「今日からここで、学んでいただくのですが、命に関わることなので、習熟度別で、組を分けさせて頂きます」 非常にゆっくりしたペースで喋る。 「なので、3~4人1組で、グループを作っていただき、指導者引率の元、ダンジョンを探索していただきます」 なんと。いきなり実技とは聞いていなかった。それよりも人を見つける方が先か? いやそもそも命がけということを忘れていた。こういう形で試験があってもおかしくは無い、と耽っていると、 「ねぇ君、もしよかったら組まなーい?」 急に声をかけられたので思わずよろしくね、と返してしまう。
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