第1章

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差し込む光ががおぼろげになる程度進んだ頃だろうか、道が二手に分岐している。 どっちに進もうか、互いに顔を見あう私達だが一瞬にして状況が変わる。 「戦闘準備! 左右から何か襲ってきたぞ!」 「カブンは右をお願い! あなた達は通路で援護をお願い、私は左側で迎え撃ちます」 レイシャの指示に従い位置取り、松明に火を灯す。 「そこっ!」 「うぉりゃああ!」 何かしなければ、と考える間にも次々と襲ってくるコウモリを捌いていく前衛。 役に立たねばと一番近くを飛んでいたコウモリに切り掛かる。 「たぁっ」 なかなか当たらないがこれくらいなら、と意気込むが同時に命を奪っても良いのか? 罪悪感にも駆られるが今は考える余裕は無く、向かってくる敵の処理を強いられる。 「おい、ヘレナをカバーしてやれっ」 「まだ大丈夫だって! それよりイリスの援護が先だよ」 「こっちは大丈夫ですよ!あと少しです!」 戦闘にも少し慣れてきたのか、返答する余裕も生まれる私。少なくなる敵の数に慢心したのか左腕に激痛が走る。 「くっ……!」 怯んだ一瞬の隙に次々と襲いかかるコウモリ! 恐怖のあまり声にならない悲鳴をあげる私。
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