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「でやぁっ!!」
「あーーーー」
吹き荒れる風と見えぬ軌跡に周囲のコウモリが止まった後、落ちていく。
「大丈夫ですか? あとで手当てするので待っていてください」
凄い。技術の差を痛感した出来事だった。やはり足手まといなのだろうか、激しい自責に駆られ身が入らない。
あと少し、しかし先程とは打って変わって恐ろしく見える。
戸惑いが刃にも乗り致命傷を与えられなくなっている。
「ぼさっとするな! 今に集中しろ!」
はっと我に返る。そうだ、これは試験だ。皆の評価にも係わるだろうし最悪教官もいる。
迷惑をかけたくない。自分にそう言い聞かせると剣筋にも生気が戻る。
「いいぞ! このまま押し切れ!」
カブンの声に触発されスパートをかけ始める私達。
「くっ……やぁあ!」
「はあっ!」
「てーい!」
---ーーー
「ふぅ、お疲れ様でした」
「おつかれー!
「お疲れ様でした」
周囲の安全を確認すると腰を下ろし各自怪我を処置する。
「あ、あれ?」
私が包帯に手こずっていると横からそっと手を差し伸べるレイシャ。
「大丈夫ですか?油断は禁物ですよ、それから巻く前に消毒もしないとね」
そう言いながら彼女は慣れた手つきで薬草の上から包帯を巻きつけていく。
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