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その後も舞との付き合いは続いていたが、時間が経過するにつれて、舞は何となく元気がなくなっているような感じがしていた。
僕は気になって、会社が終わって舞と飲みに行ったときに舞に聞いてみた。
「舞、最近元気がなさそうだけど、何かあったの?」
僕は、率直に舞に質問した。
すると舞は、少し悩んでいるようだったけれど、僕に話しをはじめた。
「実は、私は子供が産めない体みたいなの…
以前、体調が悪くて病院に行ったら、卵管が細菌で炎症を起こしていて、これが原因で子供が産めない体になってしまったの…」
僕はショックで、すぐに言葉が出なかった。
「ひろは、子供が欲しいよね?
ひろは、子供が産める女性と結婚したほうがいいと思っているの…
だから、私とは別れたほうがいいと思う!」
舞は、自分の気持ちを抑えて、僕のことを気遣って、このことを伝えたように思った。
「ひろに、このことをもっと早く伝えなければならなかったかもしれないけれど、私はひろと別れるのが辛くて、なかなか言い出せなかった。
ごめんね、ひろ!」
舞は、正直にすべてを打ち明けてくれた。
「舞、正直に話してくれてありがとね!
でも、僕は何も変わらないよ!」
舞は、涙をこらえることができなくなって、とうとう目から涙が溢れ出てしまった。
「ひろ、無理しないで!
私に遠慮しないで、ひろは別の女性と結婚して幸せになって!」
僕も悲しくて、これ以上舞に何を伝えたらいいのかわからなくなった。
この日の舞と僕は、お互いに悲しくて、沈んだ空気になってしまった。
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