瞳の奥の真実

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僕には、同じ会社に「櫻田 舞」という同期入社で同じ歳の女性がいて、1年程お付き合いしている。 僕は、舞にも自分の目をしっかりと見せたことがない。 ある日会社帰りに、舞と僕は居酒屋に飲みに行ったが、この時舞から、 「ひろのメガネを外した素顔を見てみたい!」 と言われた。 僕は少し迷ったが、目を見せる前に舞に僕の眼球のことを正直に話すことにした。 「実は、僕の眼球は赤くて、見た目気持ちが悪いと思うよ!」 しかし、この時の僕は、自分の目で相手の瞳を見つめると、相手が嘘をついているのかどうか見極めることができるという不思議な能力のことは、話すことをやめることにした。 「そうなんだ!  でも、ひろのこと知りたいから見てみたい!」 と舞が発言したので、 「本当に、ビックリすると思うよ!」 と言って念押しをして、僕は思い切ってメガネを取って舞に見せることにした。 僕は、少しうつむいてメガネを取り、目をつむった状態で舞の正面を向き、ゆっくりと瞼を開いて舞の瞳を見つめた。 僕の目には、舞の驚いた表情が飛び込んできた。 「だから言ったでしょ!」 僕はあわててメガネをかけながら言うと舞は、 「少しビックリしたけど、ひろは目は普通に見えるんだよね?」 と質問してきたので僕は、 「うん、視力は1.5で、普通に見えるよ!」 と答えた。 不安になった僕は、 「こんな僕のこと、嫌いになった?」 と言うと舞は、 「大丈夫だよ!  ひろはひろだよ!  今までと何も変わらないよ!」 と言ってくれて、僕はとてもほっと安堵した。 僕は、舞の言葉に嘘はないという確信を持った。 それは舞の瞳からは、嘘が見当たらなかったからだ。 この日の僕は、心のわだかまりが少しほぐれたような気持ちになって、何となく嬉しい気分になった。 その後の舞と僕は、いつものように楽しい話をして、楽しい時間を過ごすことができた。
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