瞳の奥の真実

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いつものように会社に出勤して帰るとき、舞が残業になるようで1人残って仕事をしている姿を見かけた。 僕は、心配になって舞に声をかけた。 「舞、仕事大変そうだけど大丈夫?  何か手伝おうか?」 舞は、僕の顔を見て少し安心したのか、 「うん、明日までに仕上げなければならない資料があって、今日は徹夜になりそうなんだよね!  でも、大丈夫だよ!  ひろは帰って休んでね!」 と返事をしてくれた。 でも、周りには舞と一緒に仕事をしている同僚の姿は見当たらず、僕の目には、どう見ても舞が1人で仕事をやらされているようにしか見えなかった。 僕は、理不尽だと思って舞の上司に対して少し怒りを覚えたが、舞に言っても仕方のないことだと思って、 「あまり無理しないでね!」 と言って、僕は帰宅することにした。 僕は帰る途中で夕食を取ったが、舞のことが気になって、コンビニで眠気覚ましのコーヒーとおにぎり、パンといった軽食を買って会社に引き返した。 会社のフロアでは、1ヶ所だけ照明がついていて、その明かりの下で、舞が黙々と仕事をこなしていた。 僕は、舞に声をかけた。 「舞、仕事の切りのいいところで、少し休憩しない?  コーヒー買ってきたよ!」 すると舞が、 「えっ、ひろ戻ってきたの?  ひろ、ありがとね!  もう少しで一段落するから、少し待っててね!」 と言ったので、僕は、自分の机で少し待つことにした。 少しすると、 「ひろ」 と声をかけてくれたので、近くのミーティングスペースで、一緒に休憩することにした。 「少し食べるものも買ってきたから、良かったら食べて!」 と僕が言うと舞が、 「ありがとう!  お腹すいてるんだ!」 と言って、おにぎりを食べ始めた。
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