終わらない雨上がり

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長靴を履いたあなたは 嬉しそうに私の中に入ってきて 散々はしゃいだあとに さようならと手を振った 踏みならされた水たまりは ちょっぴり小さくなったけど 消えないあなたの色が付いて いつまでもそこに残っている そっとそれをすくってみると 嘘つきな私の顔が映り よく知る淡い色を落とした あの時 静かにけれど確かに 大きく動いた私の真ん中に 素直に耳を傾けれたら 後悔なんて 滅多にしないはずなのに 自分が少しだけ嫌いになった 花束を抱えたあなたは 嬉しそうに誰かの中に入っていく 必死な私の呼ぶ声に 一度も振り向くこともなく 心枯らすほど好きなことさえ 伝えることが出来なくて 小さな揺れからも目をそらした あの時 静かにけれど確かに 大きく動いた私の真ん中に 素直に耳を傾けれたら 強がりなんて 滅多にしないはずなのに 足を抓ってむりやり笑った あなたの為に空けた隙間に 誰かを入れてみては そんな自分がまた嫌になり 結局あなたが乾くのを ずっとずっと待っている
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