1人が本棚に入れています
本棚に追加
長靴を履いたあなたは
嬉しそうに私の中に入ってきて
散々はしゃいだあとに
さようならと手を振った
踏みならされた水たまりは
ちょっぴり小さくなったけど
消えないあなたの色が付いて
いつまでもそこに残っている
そっとそれをすくってみると
嘘つきな私の顔が映り
よく知る淡い色を落とした
あの時
静かにけれど確かに
大きく動いた私の真ん中に
素直に耳を傾けれたら
後悔なんて
滅多にしないはずなのに
自分が少しだけ嫌いになった
花束を抱えたあなたは
嬉しそうに誰かの中に入っていく
必死な私の呼ぶ声に
一度も振り向くこともなく
心枯らすほど好きなことさえ
伝えることが出来なくて
小さな揺れからも目をそらした
あの時
静かにけれど確かに
大きく動いた私の真ん中に
素直に耳を傾けれたら
強がりなんて
滅多にしないはずなのに
足を抓ってむりやり笑った
あなたの為に空けた隙間に
誰かを入れてみては
そんな自分がまた嫌になり
結局あなたが乾くのを
ずっとずっと待っている
最初のコメントを投稿しよう!