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くーくーと健やかな寝息を立てて少女は眠り続ける。
天の天井へと到達した二つの太陽は優しく少女を暖め続けた。
だが。
そこに足音を消して忍び寄る一つの気配。
それは一匹の豚のような魔物。オークと呼ばれる魔物。
オークはその鋭敏な嗅覚により、少女の匂いを感じとり、餌として捕食するため、そこへ忍び寄る。
そよそよ。
ぶひぃ。
そよそよ。
ぶひぃ。
やがて、眠り続ける少女の元へとたどり着いたオークは醜く裂けた口元から涎を垂らしながら少女の細く白い首筋へと牙を・・・
がし。
その牙を掴んだのは、いまだ寝息を立てている少女の指。
ぼきん。
その指は自らの腕よりも太い牙を根元からへし折った。
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